Japan Commercial Environmental Design Association

日本の建築家23名の寄稿文「建築家が衝撃を受けた飯島直樹氏の作品」を芸術的に表現した壁新聞。

Art, Print design, Graphic, Photography

一般社団法人日本商環境デザイン協会が発行する機関紙、JCD WALLPAPER 02をデザイン。

日本のインテリアデザイナーとして活動する飯島直樹氏を特集した一面。「飯島氏の作品から受けた衝撃」がテーマ。作品への想いを、日本で活動する建築家23名から募った寄稿文、更に氏の言葉を組み合わせ、多層的なレイヤーの中で思考が反響し、呼応して人々の会話となり、やがて氏の存在や個性がシルエットとして浮上するアートワークを制作した。

ロゴタイプは、ブロックや窓、角材や壁など、建築的に組み合わされる建材からインスピレーションを得て、現代的でエネルギッシュな印象で表現した。

白と黒の美しいコントラスト。アートワークとヘッダー部分を別階層で考えることで、ヘッダーに於いて洗練された印象を醸し、現代の建築的な読み物であると読者にナヴィゲーションする。

当初は氏の作品写真も、寄稿文の数掲載する予定だった。しかし視覚的に強調され、固定される写真を掲載すると、言葉から成る寄稿者の熱い想いが伝わらないと考えた。寄稿者の想いを言葉から追体験する。そのイマジネーション体験の中に生きることが、今回の本質だと考えた。配されたQRコードからオンラインで作品鑑賞が可能となる。

整然と並んだ各記事はブロック上に線で間仕切られ、写真や余白、タイポグラフィとのコントラストにより、美しい紙面を形成する。

寄稿者からの言葉を白で横書きで、それと呼応し、会話するように氏の言葉を濃度とサイズが違うグレーで縦書きにした。紙という二次元的な媒体が、濃度とサイズが違う文字のレイヤーによって三次元的な奥行きを獲得した。

カラーパレットは、氏が「ソニアリキエル名古屋」について語った言葉からインスピレーションを得た:「白は物質の素性を伴うときに、格別な美しさを発揮する色だ。」
「そこに使われた、粉をふいたような表層の白=胡粉の希薄な美しさは、気配という意味合いにおいて、マルセル・デュシャンのいう「アンフラマンス(極薄)」に似ている気がする。」——飯島直樹

言葉で構成された多層的なレイヤーが、朧げながら、しかし確実にある表象を形成する。これらのアートワークについて、氏が7歳の頃に持った以下の体験からインスピレーションを得た:「強固な実体であるよりも、布で囲われただけの霞のような空気の限定を、空間のはじまりとして意識した。」「このようなほんの少しの『空気の限定』がインテリアデザインに固有な空間把握ではないか、と思うようになった。」——飯島直樹

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