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私たちの仕事について、VSL JRNL(メキシコ)からインタヴューを受けました。

1) あなたについて教えてください。

私は日本を拠点に活動するアートディレクター兼デザイナーです。 ブランディング、グラフィックデザイン、パッケージデザイン、エディトリアルデザイン、ウェブデザインなど幅広いデザインを提供しています。シンプルで現代的なデザインによって、ブランドや企業のアイデンティティを明確にし、戦略的な差別化を行います。 私たちは世界各地のクライアントにデザインを提供しています。

2) どのようにあなたの作品を表現していますか?

例えば、私たちは毎日スマートフォンを使用しています。スマートフォンのディスプレイには様々なアイコンが並んでいます。私のiPhoneのディスプレイ左上にはニュースアプリがあり、その隣には美術館のアプリ、その隣には出版社、さらにデザインメディアのアプリ……等々が表示されています。

これらのアイコンはお互いに隣り合っていて、片手に収まるものですが、それぞれのメディアに応じて報道されるニュースは異なります。前衛的なアートメディアで報道されるようなニュースは、伝統的な新聞社ではほとんど報道されません。また、都会的なデザインはファンシーな印象のデザインブログでは紹介されません。 しかし、それらのアイコンは片手に収まっています。

私はこれが面白い現象だと思います。 言い換えれば「お互いの壁を超えたデザインを作ることが出来たらどうでしょうか?」これが私たちの考えの出発点です。

3) あなたが賞賛するデザイナーやスタジオは? それは何故ですか?

私はAppleのiMacを見た時、初めて「デザイン」について意識が芽生えました。 それは、私が使用していたパソコンが壊れて、近くの電気店に行った時のことです。 PCコーナーには20〜30台のPCがありましたが、どのデザインも最低でした。「最低のデザインのパソコンしかないなら、パソコンなどは必要無いのではないか……」と私は考えながら歩いていました。

しかし角を曲がったところで、突然、iMacが現れたのです。 それは衝撃的でした。 iMacを見た時、細部まで練られたデザイナーの緻密な思考を感じました。それが私と「デザイン」の最初の出会いです。この様な理由から、私はジョニー・アイブ氏(Appleの最高デザイン責任者)とAppleのデザインチームに感謝しています。

もう一つの衝撃を受けたデザインは、Stockholm Design LabによってデザインされたOhmine Sake ボトルです。 彼らは既存の酒瓶のデザインを芸術的なレヴェルにまで抽象化したと思います。

4) あなたのプロジェクトについて教えてください。

私たちが最近行ったブックデザインについてご紹介します。本書は、個人と社会の関係性について論じられた本です。私はこの本のデザイン依頼を受けた時、「本をデザインしよう」とは考えずに、本の背景(景色)からデザインすることを考えました。

書店に行くと、多くのカラフルな本が並んでいます(形式、デザイン、色など)。 素晴らしいデザインですが、多くの書籍は本自体をデザインすることに情熱を注いでいる様です。 言い換えれば、周囲の環境との繋がりや調和についてはほとんど考えられていないと思います。

私たちは、読者が本を買って家に持ち帰った時に、その家を彩る様な美しい本をデザインしたいと考えました。 つまり私たちが言いたいのは「物のデザイン」ではなく「ライフスタイルデザイン」への移行です。

この本のデザインで挑戦は成功しました。 そして本書は、私たちのお気に入りのデザインメディアであるVisual Journalにおいて「Best of 2016」に選ばれました。

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